料理屋は良く総合芸術の場だといわれます。
それは日本の伝統的建築に始まり工芸、芸能、絵画、茶道に華道、
厳選された食材や極め抜いた調理技術、接客など全てを含めた調和の上に成り立っているからです。
このページでは料亭 山口楼を構成するいくつもの宝物をご紹介いたします。
料亭を語るにおいて重要な言葉があります。
それは「名残り」と「走り」
名残りとはその物の旬が終わろうとしている時。
走りとはその物の旬が今まさに始まろうとしている時。
四季の移ろいを淡く表現する料亭にとって大切な言葉です。
それはお部屋の設えはもちろん食材にも使われ
ちょうど今、夏が終わり切なく秋を迎える準備をする今に
良くあてはまります。
こちらは鱧と潤菜のお椀。名残りのお椀です。
例えば鱧と松茸なんて今から9月上旬までがまさに
走りと名残り。
この2つを一つのお椀で頂くとは、なんと風流な事でしょう。
皆様も行きつけのお店で新物を見た時に
「おっ 走りですね」なんて言ったら調理長は目が光るかもしれません。
写真は鱧と松茸と常陸牛のしゃぶ。
まさに名残りと走りのひと品です。